ミャンマーの言語事情

2021.03.15

ミャンマーの言語は何語?住むなら知りたい現地の言葉

アジアの中でもここ近年で急激な経済発展を遂げてきたミャンマーへは、日本からのビジネス進出が増える中、起業したり、海外進出したりする先にミャンマーを選ぶ人も多くなってきています。

観光ならいざ知らず、ビジネスや移住となると気になるのが「言葉」ですよね。ミャンマーでは英語が通じるのか、もしかして日本語も通じる?など疑問に思う人もいるかもしれません。

そこでこの記事では、ミャンマーの言語について解説します。簡単に覚えられる現地の言葉についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ミャンマーの公用語とは?

ミャンマーの公用語

ミャンマーには「ビルマ語」という公用語があります。ミャンマーの以前の国名は「ビルマ」でした。現在は国名が変わっているため、「ミャンマー語」とも呼ばれます。ここでは、ミャンマーの公用語と英語、日本語について詳しく見ていきます。

ミャンマーで最も多く使われるのは何語?

ミャンマーで最も多く使われる言葉が、前述の「ビルマ語」です。ミャンマーは1948年から1989年まで「ビルマ連邦」「ビルマ連邦社会主義共和国」といった国名で呼ばれていました。そのため一般的にはミャンマー語ではなく「ビルマ語」といいますが、この記事では以降わかりやすくするため、あえて「ミャンマー語」と呼ぶことにします。

多民族国家であるミャンマー国内には、カレン族、シャン族、モン族など、部族が135もあると言われています。独自の言語を持つ部族もありますが、中でも68%を占めるのが「ビルマ族」です。そのためミャンマー国内ではビルマ語が公用語として採用されているのです。

ミャンマーで英語は通じる?

ミャンマーでは、残念ながら英語は一部の人を除きあまり通じないのが現状です。しかしミャンマーは19世紀半ばから第二次世界大戦まで、イギリスの統治下に置かれていました。そのため、英語を理解できる人も一部存在します。
また、近年ではミャンマーでも幼少期から英会話教育が盛んなので、若年層であれば簡単な英会話はできるはずです。また外国人向けのホテルや有名な観光地、都市部のタクシー、バスなどには、外国人観光客も多いことから英語を話せる人が多いです。

一般的にあまり英語を話す文化はありませんが、観光で訪れるような場所でゆっくりジェスチャーを交えながら一言一言話せば、簡単な英会話は可能でしょう。

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ミャンマーで日本語は通じる?

ミャンマーでは、日本語もほぼ通じないと考えておいてください。ただし、近年ミャンマーでは日本語を学ぼうとする動きも多少見られるので、ごく一部の方であれば、通じる可能性はあります。

ただし、ミャンマーで日本語を学べる環境にある人というのは、かなり裕福な家庭の人ばかりです。一般的ではないと理解しておいた方がよいでしょう。

実は似ている?日本語とミャンマー語

日本語とミャンマー語の共通点

日本語とミャンマー語には、面白い共通点もあります。

レストランで食事をした際、日本ではお会計をしてもらうのに「締めてください」と言うことがありますよね。ミャンマー語で「締めてください」の同義語は「シーメー」です。突然日本人がレストランの会計で「シーメー」というと、きっと驚かれるでしょう。

また、物の名前や人の名前を聞く時の言葉も、日本語とそっくりの「ナーメー」です。まるで「なまえー」と言っているように聞こえます。もし市場などに買い物に行って、「これはなんだ?」と思った場合は、現地の方に「ナーメー」と聞いてみてください。ミャンマーには親日家で優しい人が多いため、きっと丁寧に教えてくれますよ。

また、ミャンマー語と日本語には語順が同じだという共通点もあります。文法的に日本語と同じ「主語+目的語+動詞」という並びなので、「英語は語順が違うから苦手」という人でも覚えやすいかもしれません。

ミャンマー人とのコミュニケーション

ミャンマー人との価値観の違い

ミャンマー人と円滑なコミュニケーションをとるには、いくつかのコツがあります。とはいえ基本的に親日の国なので、構えたり難しく考えたりする必要はありません。

ミャンマー人とのコミュニケーションのコツ

ミャンマー人の13%は「僧侶」であるといわれています。ミャンマーは仏教の国で、ほとんどの国民は仏教徒です。しかも、日本で一般的な仏教(大乗仏教)とは異なり、厳格な戒律に基づいた「上座部仏教」を信仰しています。僧侶となった人は、厳しい修行の末に涅槃の境地に達した人ばかりです。そして、多くのミャンマー人はそんな僧侶のことを敬い、崇拝しているのです。

そうした精神性がミャンマーの人たちの根底にあると理解しておきましょう。

日本では近年業務の効率化がよりいっそう推し進められていて、「仕事が早い人」「成果を出す人」「正確な人」「アイデアマン」などが評価される風潮にあります。一方でミャンマーでは、そういった「仕事ができる」ことよりも、いかに「私心にとらわれず、人間性が高いかどうか」で人の良し悪しを判断する傾向が強いです。

そのため、ミャンマーで人を雇う際には、効率的な結果を求める前にまずはきちんと笑顔で挨拶をし、心が通い合う関係性を築く努力をし、コミュニケーションを図っていくのが最良の道といえます。

ミャンマー人とのコミュニケーションで注意すべきこと

ミャンマー人と日本人には性格的にも似ているところがあると言われますが、気を付けるべきことも多々あります。

それは価値観の違いです。まず、ミャンマー人はとにかく家族を大切にします。日本でも家族が大切なのは同じですが、ミャンマー人は日本人の何倍も家族の絆を大切にしていると言えるでしょう。

例えば、ミャンマー人の多くは「親の言うことは絶対」だと信じています。「親が反対するからできない」というのもよくあることだと認識する必要があります。さらに、「家族が風邪をひいたので、看病のために仕事を休みたい」と言われることも多いでしょう。家に他の家族がいるにも関わらず仕事を休むのが、ミャンマー人にとっては当たり前のことなのです。

また、こういった人との関係性から、ミャンマーでは「権威性が強い人には絶対服従」のように考える人が少なくありません。いい意味では「上司の頼みは嫌がらず聞いてくれる」、「組織の輪を乱さず、自己犠牲の精神で励んでくれる」という風にもとらえられます。

一方で、何事に対しても「疑わない、疑問に持たない」という素直すぎる面での弊害も出てきます。「どうしてこんな方法で仕事をしているの?」と聞くと、「周りの人がそういうから」「インターネットにそうやって書いてあったから」など、周りの意見を鵜呑みにしている場合も多いのです。

ミャンマーでは永らく、軍事政権下で教育がなされてきました。そのため、上司の言うこと、親の言うこと、自分より権威のある人のいうことは絶対だと教えられています。そのため、かなりの我慢をし、無理をしていても、大変さを訴えてこないことがほとんどです。しかしその結果、逃亡してしまったり、最悪の場合は自ら命を絶ってしまったりすることもあり得ます。日々の様子を見て、気を付けてコミュニケーションを図ることが大切です。

問題があれば本人と話し合い、どんなサポートをしてあげられるのか、どんなトラブルが起きているのか、などについて具体的に話を聞くのが理想的な姿です。きちんと対応することで、円滑な関係性を築けるでしょう。

覚えておきたいミャンマー語のフレーズ

コミュニケーションにはカタコトでも現地の言葉で話しかけることが大切です。ここで、日本人でも簡単に話せるミャンマー語のフレーズを紹介しましょう。

あいさつ、自己紹介、お礼

まずは日常の基本的な挨拶から覚えましょう。

おはよう・こんにちは・こんばんは 「ミンガラーバー」

ありがとう 「ジェーズーバー」

私の名前は○○です 「チャノ ナッミーマー ○○ ピッバーデー」


「ミンガラーバー」はとても便利で、どこでも使える最強の挨拶です。必ずマスターしておきましょう。また、感謝の意を伝える「ジェーズーバー」も重要です。

さらに、ミャンマー人の間では「タミン サー ピービーラー」という挨拶もよくします。これは「食事は食べましたか?」の意味ですが、日常の挨拶言葉として使われているのです。

もし誰かにそう言われたら、「サー ピーバービー(食べました)」と言っておけば問題ありません。食べていないと言ってしまうと、食事に誘われて困る場合もあります。

タクシーに乗る/食事をする

ミャンマーでタクシーをつかまえて乗る方法も紹介しておきましょう。タクシーの停め方は、日本と同じです。手を上げたりすると停まってくれます。空車かどうかは空席ランプの表示でも確認できるでしょう。

乗ったら、行き先をガイドブックの地図や地図アプリなどで伝え、そのまま向かってもらいます。目的地に着いたら、「いくらですか?=パラウッレー」 と伝え、会計を済ませます。

タクシーに乗る前に、地図を見せながら料金交渉をしておくこともおすすめです。ぼったくりの可能性は低いですが、日本人には10%から20%程度の割増請求をしてくる可能性があります。

レストランで食事をして、会計をする場合も「パラウッレー」が使えます。前述の「シーメー(締めてください)」も使えます。

緊急のとき

緊急事態で警察を呼びたい場合は、次の言葉を使います。

警察を呼んでください 「イェーコー ペーバ」

財布を盗まれました 「パイッサンエイッ アコーカンヤーデ」

さらに詳しい状況を説明する際には、英語やジェスチャーなどを交え、警察や救急隊とコミュニケーションを取ってください。

敬称について

ミャンマーでは、名前に「姓」がありません。その代わりというわけではありませんが、敬称をつけるのが一般的です。

成人男性の名前には「ウー」、未成年男性であれば「コー」(Mr.の意味)をつけます。女性の場合は、既婚者の場合は「ドー」(Mrs.の意味)、未婚の女性であれば「マー」(Missの意味)を名前に付けるだけで、敬称になります。

ミャンマー語でちょっと難しく感じるのは、「声調がある」という点です。声調は中国語などにも見られますが、日本でいう「イントネーション」のようなものです。声調が異なるだけで、まったく別の意味の言葉になってしまうため、習得に苦労するかもしれません。

まとめ

挑戦へのスタートイメージ

ミャンマーではビルマ語(ミャンマー語)が公用語として使われ、英語は通じる人も一部いるものの、一般的ではありません。また、日本語を使える人もほとんどいないと考えて間違いありません。

ミャンマー語と日本語には、少し共通する単語があったり、語順が同じだったりという共通点もあります。ミャンマーの人たちは、過去の歴史から親日家の人も多く親切なので、ぜひ挨拶など簡単な言葉からミャンマー語を使ってみてください。

コミュニケーションを取る際は、言語だけでなく敬虔な仏教徒としての国民性なども把握しておくと、より理解が深められるでしょう。