東南アジアで今最も盛り上がりを見せているのがミャンマーです。1988年の軍事クーデターを機に民族間紛争に巻き込まれていたミャンマーは、2011年ついに、民主化に成功。

その後ミャンマーの経済は活性化され、現在では多くのミャンマー人が豊かに暮らしています。今回は、ミャンマーの人々の間で密かにブームになっている旅行や観光について見ていきましょう。

ミャンマー旅行業界のこれまで

ミャンマーの路地

永らく軍事政権下に置かれたミャンマーは、2011年にようやく民主国家となるまで他国との関わり合いもほぼなく、経済的に貧しい国の一つでした。しかし民主化してからは多くの海外企業が進出し、経済は驚くべき発展を見せています。国が豊かになれば国民の生活も豊かになり、心にもゆとりが生まれるのは世界共通の話ですよね。

その効果か、ミャンマーではすさまじい勢いで観光業界が伸びています。もちろん、海外からの観光客を相手にしたビジネスも行われていますが、ミャンマー人自身による観光もどんどん広がっているのです。まだ海外でなく国内旅行に行く人の方が多いですが、「観光」というこれまでなかった娯楽を楽しみ始めています。

旅行に関心を持つようになった背景と今後

ミャンマーのリゾート

2011年まで、国は軍事力によって統制され、抑え込まれていました。そのため、観光をして楽しむという概念がありませんでした。しかし民主化が進み、安心安全な国として国民自身が認識するようになったため、国内旅行を楽しもうとする人が増えてきたのです。

一人一人の所得が増えていけば、今はまだ国内旅行にとどまっている人も、間違いなく海外旅行に出かけ始めるでしょう。

またミャンマーはアジア諸国の中でも高い経済成長率を維持しています。2019年度のミャンマー経済成長率はGDP+6.5%で、2018年度の+6.4%に続いて6%台(JETRO「世界貿易動向シリーズ」)。これは同時期のアジアの新興国経済成長率と比べても高い水準です。

もちろん、多くの海外企業が流入し、経済を盛り上げていることもその要因ですが、もう一つの要因として、外国人観光客が増えていることも挙げられます。例えばミャンマーの観光地バガンへの外国人観光客は、2008年には約3万8千人だったものが、2013年には約19万6千人と大幅に増加しています。

今後も外国人観光客が多くなると、観光地周辺ではインフラ整備がさらに進められ、国内のミャンマー人にとっても観光に訪れやすい環境となります。外国との交流が増えれば、経済成長にもつながります。可処分所得も増え、ますますミャンマーの人たちが観光に充てられる時間も増えると予想されるのです。

ミャンマーの魅力がわかる代表的な観光地

ミャンマーには多くの観光資源が眠っていると言われています。外国人観光客にも有名ですが、現地の人々も頻繁に訪れるスポットをいくつかご紹介しておきます。

シュエダゴン・パゴダ

ミャンマーのシュエダゴンパゴダ

ミャンマーで人気の観光地1カ所目は「シュエダゴン・パゴダ」です。ミャンマー最大の都市ヤンゴン。「シュエダゴン・パゴダ」はそのヤンゴンの北部に位置します。パゴダとは「仏塔」の意味で、多くの仏塔が立ち並ぶ、とても神聖なスポットとして大切にされています。

釈迦仏の遺骨や経文も安置され、建設されたのは2,600年以上前だとも言われており、ミャンマーの歴史を感じられるスポットです。

インレー湖

ミャンマーのインレー湖

ミャンマーで人気の観光地2カ所目は「インレー湖」です。ミャンマーのシャン高原にある巨大な湖で、風光明媚な場所として知られています。インレー湖の上には少数民族が住む水上村があり、民家やお寺も立ち並びます。

各種工芸品の工房や畑などもあり、見学することができます。ボートに乗って周遊するボートツアーが人気となっています。

マンダレー王宮

ミャンマーの旧王宮マンダレー

ミャンマーで人気の観光地3カ所目は「マンダレー王宮」です。こちらはミャンマー最後の王朝であるコンバウン朝の王宮だった場所。ミャンマーの貴重な文化遺産です。

戦争で一度は破壊されましたが、1990年に一部が再建され、当時の面影も残りつつ新しい建物に生まれ変わっています。金で覆われた王宮に住んでいた当時の王様に思いを馳せれば、昔の王族になった気分を味わえます。

バガン遺跡

ミャンマー観光のハイライトバガン遺跡

ミャンマーで人気の観光地4カ所目は「バガン遺跡」です。アンコール遺跡、ボロブドゥール遺跡と並ぶ、世界三大仏教遺跡の一つです。

オールドバガンに位置する「アーナンダ寺院」は、ぜひとも訪れてほしいおすすめスポット。34mの回廊と寺院の中心部にそびえ建つ大伽藍の美しさに、心を動かされることでしょう。夕日の名所としても有名です。

ゴールデンロック

ミャンマー旅行ゴールデンロック

ミャンマーで人気の観光地5カ所目は「ゴールデンロック」です。まさに不思議なパワースポットでもあるゴールデンロック。チャイティーヨー山の山頂にある黄金に輝く岩で、高さ7mもある巨大な岩が、なぜか山から転がり落ちずにその場に鎮座しています。

不思議なパワーにあやかりたいと、外国人観光客はもちろん、ミャンマー国内でも大人気の観光地です。

ポッパ山

ミャンマー人気の観光地ポッパ山

ミャンマーで人気の観光地6カ所目は「ポッパ山」です。こちらはバガン遺跡から50kmほどの場所に位置する、世にも不思議な精霊信仰の山です。地上から急にせりあがる形で岩山が現れ、その頂上には黄金の塔や色とりどりの人形が設置されています。

心霊信仰の聖地だけあって独特な雰囲気。ぜひとも777段の石段を登って、仏様のご加護をいただきたいものですね。ただし聖地なので裸足で登らなくてはいけません。

ミャンマー国内から海外旅行へのシフトも

ミャンマーからの海外旅行

実はミャンマーに入国している外国人の多くは、まだまだ「陸での移動」で隣接国から来るケースが多いです。タイや中国と国境を接している関係で、トラックなどでの入国が最も多くなっています。空のインフラ整備にも、大きな課題があると言えるでしょう。

ただし逆に言えば、ミャンマー人もタイや中国などへの陸路での移動は比較的しやすいということ、逆に陸路を使った近隣諸国への観光旅行が今後増えることも期待できます。ミャンマー国内の交通インフラも、大きなビジネスチャンスの1つです。

経済成長によって飛行機を使った海外旅行がメジャーとなる日も来るでしょう。そうなった時に、どれだけのミャンマー人が日本に来てくれるのかも大きなポイントです。これは日本からすれば、大きなインバウンド消費のチャンスでもあります。

ミャンマー人の多くは仏教徒で、親日家の人も多いと言います。主な旅行先に日本が選ばれる日も遠くないかもしれません。旅行意欲が旺盛なミャンマーの人々にどれだけ魅力的なアピールができるか?が大きなカギとなるでしょう。

新型コロナウイルスと新たな観光の形

ミャンマー新たな観光

2019年12月から全世界を脅かしている新型コロナウイルスの感染拡大。その影響で、もちろんミャンマーの観光事業も大きな打撃を受けています。特に問題なのは、世界遺産にも指定されている「バガン遺跡」への外国人観光客の減少。近年増加した旅行業者にも大きなダメージを与え、中には倒産寸前に追い込まれている企業もあります。

ミャンマー政府も、バガン遺跡観光を復活させるためにさまざまな取り組みを行っています。日本の企業や現地のパートナー企業と手を組み、外国人観光客がコロナウイルスに感染することなく観光を楽しめる仕組み作りに力を入れているのです。

具体的には、新型コロナウイルスの感染がどこで確認され、どの辺りの地域が危険なのかを共有できる、デジタルツールの導入を急いでいます。ただし観光客にそれらのツールを利用してもらったり、新たな観光のルールを守ってもらったりする必要があり、前途は多難です。

ちなみに、開発が急がれているワクチンですが、2021年1月時点でミャンマー国内に75万人分が供給され、医療従事者や高齢者、基礎疾患のある方々に順次接種が進められています。

コロナ禍で国内旅行がさらに大きなビジネスモデルに

ミャンマー国内旅行

今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響がいつまで続くのかは、世界共通で先行き不透明です。新型コロナの感染拡大が止まらなければ、海外旅行もままなりません。

そこで今ミャンマーの人々は、国内の近隣のエリアへの小旅行を楽しんでいます。最大都市のヤンゴン付近に住む人たちは、近隣の村や森などに日帰り旅行をして楽しんでいるようです。

コロナ禍でも密になりにくいスポットに行って余暇を楽しむ、というのは、日本で起こっている動きと同じです。つまり、人々の新たな動きにあわせて生じるニーズをつかみ、それに合ったサービスを提供できれば、一つの大きなビジネスモデルになるでしょう。経済的な余裕が出てくれば、多少高額なサービスでも利用してもらえる可能性は高いです。

多くの観光スポットを保有しているミャンマーですが、実は観光地付近のインフラ整備には課題が多く残っているのが現実です。民主化の後は徐々に改善されてきてはいるものの、観光で潤う諸外国のようには整備されていないのが現状です。ミャンマー国内の交通インフラ事業を盛り上げることも、一つのきっかけとなるのではないでしょうか。

まとめ

ミャンマー観光旅行産業の未来イメージ

今回は、ミャンマーの人々が観光や旅行に興味を持ち始めている状況と背景、今後の課題などについて説明しました。

永らく軍事統制下におかれたミャンマーでは、今まさに目覚ましい経済発展を遂げているところです。今後、日本の高度経済成長と同様の流れに繋がっていくかもしれません。

こうした好機を逃さず他社よりも早くミャンマーに進出し、現地に知名度を広げておくことは重要なことです。観光や旅行、交通に関する事業にも、あらゆる新たなサービスを提供できる可能性があります。

どんなサービスで新たな価値をミャンマーに生み出せるか、そこが成功のカギとなるでしょう。