ミャンマーの外食イメージ

ミャンマーの飲食業界は2010年代から急速に伸びており、中間所得層以上のミャンマー人に外食の習慣が身に付きつつあります。 

ミャンマーの都市ヤンゴンでは、ケンタッキーフライドチキンやロッテリアなどの大手チェーン店が展開され、日本料理店やエスニック系の料理店も続々と開業しています。現在のミャンマーは、まさに飲食業界の高度経済成長期と言えるでしょう。

この記事では、ミャンマーで飲食店を開業するメリットについてご説明します。   

変化しつつあるミャンマーの食文化

ミャンマーのファストフード

ミャンマーにはもともと、外食をする文化がありませんでした。その主な理由は、ミャンマー人の多くが敬虔な仏教徒であり倹約家で、自炊が習慣となっていたからです。朝食と夕食は自分で作り、昼食も職場に弁当を持参して食べるのが当たり前のようになっていました。

しかし、2010年代から外資系飲食チェーン店がミャンマーに進出し、2021年現在ではケンタッキーフライドチキン(KFC)をはじめとした大手企業が、ミャンマーの都市ヤンゴンに店舗を構えています。


ミャンマーに進出した主な外資チェーン店を見てみましょう。

・ケンタッキーフライドチキン
・ロッテリア
・マリーブラウン(マレーシア系ファストフード)
・バーガーキング
・ゴンチャ(台湾発のティーカフェ)
・カフェアマゾン(タイ発のコーヒーチェーン)
・ヤクン カヤ トースト(シンガポール系ファストフード)
・ピザハット
・ピザカンパニー(タイ発のピザチェーン)
・スウェンセン(タイ発のアイスクリームショップ)
・ブレッドトーク(シンガポール発のベーカリー)
・ブラックキャニオントーク(タイ系のコーヒーショップ)
・オールドタウンコーヒー(マレーシア系のコーヒーショップ)
・パラダイス ダイナスティー(シンガポール発の中華料理)
・ビューティーインザポット(シンガポールの火鍋専門店)
・ハードロックカフェ
・シャブシ(タイ発の日本料理レストラン)
・ザ チキンライスチョップ(マレーシア系レストラン)
・フジレストラン(日本人がタイで始めた日本食レストラン)


これらの店舗は、香港やシンガポールの会社がフランチャイズ権を買い取っていると言われています。こういった外資チェーン店の進出は、今後もますます加速していくものと考えられます。


さらに、シャン料理をはじめとしたミャンマーの少数民族料理の店舗も増加中です。ラカイン、カチン、チンなどの珍しい民族料理の店舗が開業し話題となっています。

ミャンマーではこのように、外資チェーン店、日本料理店、少数民族料理店などの台頭によって食習慣が変化しつつあるのです。

ミャンマーのフードデリバリーサービスの現状

ミャンマー宅配ピザ


日本ではUberEatsというフードデリバリーサービスが人気ですが、東南アジアでもフードデリバリーサービスの利用者が増加中。すでにミャンマーの最大都市ヤンゴンを中心に、いくつかのサービスが展開されています。

もともと外食の文化がないミャンマーですが、感染症の拡大による外出自粛などから、フードデリバリーサービスの需要が増えているのです。

ミャンマーの主なフードデリバリーサービス


2021年現在、ミャンマーで展開しているフードデリバリーサービスには、「Yangon Door2Door」、「Food2U」、「Hi-So Mall」などがあります。

中でも人気のサービスはYangon Door2Door(yangonD2D)。こちらはAndroidアプリだけではなくiOSアプリでも利用が可能で、幅広いニーズに対応しています。ミャンマー国内のビジネスコンテストでも優勝しており、資金調達にも成功しているテックベンチャーの一つです。

ちなみに、ミャンマーを含む東南アジア領域には、iOSのユーザーよりもAndroidユーザーが遥かに多いため、Androidアプリしか提供していないサービスも多いです。そのような地域性があるにも関わらずiOSにも対応しているYangon Door2Door は、将来を見据えたサービスだと言えます。

また、Yangon Door2Doorはクレジットカード決済にも対応しており、支払いが楽であるという点も評価できます。クレジットカードで支払えれば、現地に在住する外国人でも気軽に利用でき、重宝されるのです。

ミャンマーのフードデリバリーには課題も

しかし、まだまだミャンマーのフードデリバリーサービスは発展途上でもあります。配達員が不足しているため、注文してから商品が届くまでに時間がかかり、長いときだと2時間近く待たされることも。

なぜこのような状況になっているのか、それには現地特有の事情が関係しています。

例えば、Yangon Door2Door、Food2Uともに配送は自転車で行われるのですが、ミャンマーでは自転車に対する差別的な意識が強く、走行禁止の道路が多いのです。駐輪も一部禁止されているなど、不便を感じることが少なくありません。

しかしミャンマー最大の都市ヤンゴンではバイクの利用が禁止されており、車は慢性的な渋滞のため配達には不向きです。必然的に自転車が選ばれているのですが、上記の不便さが配達員の増加を妨げています。

そういった事情があってもミャンマーのフードデリバリーサービスの需要は高まり続けています。問題点はあるものの、それ以上に利益を得られる潜在的な可能性があるのです。

待ち時間が長いということは人気の表れでもあるため、今後の改善を期待したいですね。

ミャンマーの外食産業の伸びと今後の可能性

ミャンマー人気のカフェ

上でも述べた通り、もともと外食の習慣がなかったミャンマー人ですが、外資チェーン店、日本料理店などの増加に伴い、中間所得層以上の人々を中心に徐々に外食人気が上昇しています。

外国人をも新たなターゲットに

また、おしゃれなレストランやカフェ・バーの開業や料理店の増加は、集客のターゲットとしてミャンマー在住の外国人外国人旅行客を視野に入れていることも関係しています。

ミャンマーには、海外企業の進出も増えています。また、世界三大遺跡の一つであるバガン遺跡などは欧米諸国からの観光地としても非常に人気があるため、飲食店には多くの外国人観光客が見込めるのです。

こういった状況を総合的に判断すると、ミャンマーで飲食店を開業するメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

発展途上だからこそのメリット

ミャンマーに進出するとすれば、競合店舗もまだ少ないため顧客が流れるリスクも少ないです。客層をフォーカスして料理店を開業すれば、大きな利益を得られる可能性があります。

日本の飲食業界は飽和してきており、近年では斬新な商品展開も見られなくなりました。しかし、日本ではすでに馴染みの商品でも、発展途上中のミャンマーであれば新しいと思われヒットする可能性があります。

また、ミャンマーにチェーン展開し成功を収めている外食産業は大手企業だけではありません。ローカル店も事業展開に成功をしているため、大手でなくともミャンマーで飲食店を開業するメリットは大いにあります。

さらに近年では、就業条件が良い日本企業への就職を希望するミャンマー人が増えていることも追い風となります。現地では日本語の学習意欲が高まっていると同時に、日本食への関心も強くなっています。日本で留学・就職していたミャンマー人が、帰国してから日本料理の店を開業するといった動きも出ています。

ミャンマー飲食業界の今後の課題

ミャンマー飲食業界の接客

ミャンマーの飲食業界には将来的に大きな可能性がありますが、現状ではまだ発展途上。例えば人材不足やインフラ整備の遅れなど、数多くの課題を残しています。

最大の課題はサービスの質

その最たる問題点の一つが、やはり従業員の接客スキルモラルでしょう。ミャンマー人には、日本のサービス業のような接客の習慣がありません。

ミャンマー最大の都市であるヤンゴンの高級レストランですら、会計を頼んでも店員がやってこなかったり、頼んだ料理とは別の物が出てきたり。食べていた途中の皿を下げられるなど、日本なら即クレームになるような事態に遭遇することが多いのです。

日本のレストランの接客レベルは高いため、そのようなことは珍しいですが、ミャンマーでは日常茶飯事です。その上、時間通りに出勤しなかったり、最悪なケースだと現金をくすねることもあったりなど、モラルの面でも問題があります。そのため、日本人が経営するお店では、現金の入出金はミャンマー人にはやらせないのが一般的です。

サービス改善には従業員教育が不可欠

こういった問題点を改善するには、何より従業員の教育が必要です。高い接客スキルをもつ従業員、例えばホテルの実務経験がある人や海外で働いたことがある人、日本での業務経験があるミャンマー人を採用し、教育するのが一番の近道でしょう。

優秀な人材を起用して教育係をさせれば、お店のサービスレベルが上がり評判も良くなるので、他の店と差を付けられる可能性があります。

優秀な従業員の確保は、ミャンマーで飲食店を経営する上で最優先に行うべきです。

課題はミャンマーの食品管理技術にも

ミャンマーの食品管理に関する技術は日本などの先進国に比べて低く、信頼して任せられるサプライヤーが少ないのが大きな課題です。日本の食品大手国分グループが現地の企業グループとともに低温物流事業会社「KOSPA」を設立していますが、まだ十分とは言えません。

しかし、ミャンマーへの外食産業の進出に伴い、今後は食品管理技術も向上していく可能性があります。課題が多いことも事実ですが、まだ外食産業が発展しきっていないこの時期、先行してミャンマーに飲食店を開業するメリットは大いにあるでしょう。

ミャンマーの飲食業界はこれから伸びる

ミャンマー眺望

ミャンマーの外食産業の現状から問題点までを大まかにまとめました。

2010年代より、世界的な外資系飲食チェーンがミャンマーに進出したとはいえ、まだまだミャンマーの外食産業はニッチといえる分野。これからぐんと伸びる可能性が高いです。

もともと自炊の文化が根強いミャンマーでも、外食の習慣が徐々に根付いてきています。その半面、飲食店の数はまだまだ少ないため、今後の発展に期待ができます。

ミャンマーで飲食店を開業することには、リスクはあるものの、それ以上のバックを回収できる可能性大。ミャンマーへの外食産業進出は、視野に入れておきたいビジネスモデルなのです。