今回はミャンマー農業の多様な可能性と、これからのミャンマー農業についての情報をまとめました。

農業を基盤とした国 ミャンマー

ミャンマーと聞いて皆さんが最初にイメージする経済資源、輸出物とは何でしょうか。
アジア経済に知識のある人でも、多くの人が縫製業の委託加工や鉱物資源が豊富な国というイメージがあると思います。しかし、現在のミャンマーの経済基盤は輸出額の4割を占める農林水産資源で成り立っています。
実際、ミャンマーの生産年齢人口割合は約3,600万人で、その半数近くが農業に従事しています。このことからミャンマーは農業を中心とした国であることが言えると思います。

主要農作物

ミャンマーの主要農作物は落花生ゴマ豆類があります。
雨季と乾季があり気温は20度~36度と気候変動が大きいミャンマーでは、そのような変動に耐性のある作物が主に育てられています。
また、近年ではアボカドコーヒー豆など世界の需要に合わせた農業生産物も増えています。農業生産は年々わずかながら拡大しており、ミャンマー国内における農業市場はこれからも重要な産業になると考えられます。

ミャンマーの農業

これまでのミャンマー農業

これまでのミャンマーの主要農業生産物は油糧作物と食用マメ類です。
その背景には、先ほど紹介したミャンマーの気候の影響ですが、もう一つ大きな要因があります。
それは一言で言うと「ミャンマーの農業は前時代的である」というものです。
ミャンマーは長い間農業を中心とした経済基盤があるにもかかわらず、農業ステップにいまだに機械が導入されていないところが目立ちます。
また、農家が資金を農機導入に充てられていない、品質管理がずさんなど、農業生産物が商品として一定のクオリティを保つことができていません。
その点を加味しても現段階で既に主要産業として農業が成り立っている現状を見るとミャンマー農業の伸びしろ、可能性を非常に感じられます。

農業系外資企業が少ない

ミャンマーは、約 50 年にもわたり欧米諸国からの戦後の経済制裁の影響で国際経済界から隔離されたような状態に置かれていました。
そのためアジア諸国に比べて圧倒的に外資系企業が少ないという特徴があります。
しかし、2011年の民政移管を受けてミャンマーへの外資系企業の流入が始まりました。このことから、ミャンマーには競合他社が少なく歴史的転換を受けて大きな成長が見込めると言えます。

ミャンマー農業の課題

ミャンマーの農業

現在のミャンマー農業には大きく分けて3つの課題があります。

機械化が遅れている

先にも書きましたが、ミャンマーにはまだ外資系企業が少なくいまだに農業において前時代的な部分が残っています。
農機の普及状況を近隣国と比べると、ミャンマーの小型農機(耕うん機等)と4輪トラクターの普及率は、カンボジアの3分の1から4分の1の水準にすぎず、コンバインに至っては約30分の1の低水準にとどまっています。
同じアジアの中でも、経済発展度の類似から比較される両国ですが、ミャンマーが農業の機械化に遅れを取っているのがはっきりとわかります。

農業技術の不足

2つ目は農業技術が足りないという点です。ミャンマーは農業を基盤としている国であることは間違いありませんが、同じ気候条件で農業生産率を他国と比べた場合、ミャンマーはまだまだ農業技術が未発達であるといわざるを得ません。

農業生産品の品質の悪さ

これまでの問題点2つに直結することですが、現状のミャンマー農業では、品質の低さから諸外国に安く買いたたかれてしまっています。

上記3つの問題点はすべてつながっており、段階的に解決していく必要があります。

農業分野はミャンマー投資促進分野

ミャンマーの農業

法律上の奨励措置

2017年4月1日に、投資法に基づき公布された投資促進分野通達によって、農業は投資促進分野となりました。各法律に基づく奨励措置の内容は多岐にわたっています。大きな優遇措置として1つは投資法における租税優遇措置です。
内容はその名の通り各種租税の軽減と、「ミャンマー投資委員会は、受理した日から30日以内に是認申請書を審査しなければならない」という制度が整備されたことです。
各種関税が免税、減税されることで投資家の初期投資におけるハードルを下げてくれています。
2つ目は経済特区報による優遇措置です。ミャンマーは経済特区を指定し様々な優遇措置をとっています。
例えばフリーゾーン(Free Zone)は、ミャンマーの外側とみなされ、管理委員会により指定されたその地域は輸入関税が課せられません。
また、プロモーションゾーン(Promotion Zone)では赤字が発生した際の繰り越し制度や商業税についての免税などいわゆる保険的なバックアップ制度が充実した特区もあります。
他にも多くの経済特区が設けられており、海外からより多くの投資家を呼び込むための制度が充実しています。

投資優先分野

当然ながらミャンマーの主要産業である農業においてもこれらの優遇措置は採用されており投資優先分野の1つとしてMIC(ミャンマー投資委員会)通達に記載されています。より多くの投資家や実業家に目を向けてもらうために農業分野の中でも投資先が詳しく、細かく分かれています。
いまだに投資先が多いことは多様な企業を呼び込むのに適した環境があることを意味しています。
国内トップの主要産業にもかかわらず投資優先分野として登記されている今こそ農業に目を向けましょう。

海外の支援を必要としている

上記の措置は当然海外向けのものであり、ミャンマーは海外からの各種支援(機械的支援や金銭・投資的支援)をまだまだ必要としています。
前項で紹介した通りミャンマーは投資における優遇措置を非常に多く設けています。
日本から見ても、日本貿易振興機構のミャンマーにおける分野では非常にわかりやすくミャンマーへの投資について各種制度とともにまとめられており、それらのハードルが諸外国に向ける投資規制よりはるかに低いことがわかります。
ミャンマーへの投資について調べていただければ非常に情報に透明性があることも認識できます。
今まさにミャンマーにおける支援、投資は非常に大きな需要と可能性を秘めています。

農業生産拠点として最高のミャンマー

農地の金額は日本の1/20

ミャンマーは日本から見てとにかく農地が安いことが特徴です。新しい事業を始めるためのフィールドが安く手に入るというのは大きなビジネスチャンスであると考えられます。
この農地の安さの背景には、ミャンマー国民による「農業は儲からない」というイメージにあります。
ミャンマー国民は農業に依存しているものは少なく、少しでも農業より儲かる産業が目立つとたちまちそちらに人々が流れていってしまいます。
しかし、この問題は諸外国のミャンマー農業に目をつけている人からは大きなメリットとなると考えられます。

最低賃金が安く、働き手が多い

農業分野には全就業人口の約半数が従事し、GDPの約4分の1を占めています。
すでにそれほどの働き手がおり最低賃金が安いとなれば非常に大きな生産を期待できます。
現地でのコストを抑えながら、問題点である機械設備や技術などの外的要素へ投資する事が可能です。
ミャンマー国民にまずは農業が稼げる産業であることを理解してもらいながら、それをビジネスとして成り立たせるまでの道のりは長いとは言えないでしょう。

市場が広い

ミャンマーは立地的に中国・インドといった大国、タイ・マレーシアなどアジアの巨大消費市場が近くにあります。
経済資源、人口共に非常に恵まれ輸出需要が大きい国が近くにあるというのは、輸出コストの面から考えて非常に大きなメリットです。
これらの地域に輸出するのは主要農作物だけでなく、外資的な作物をミャンマーで生産、輸出するといった流れも作りやすく、事業拡大の可能性も大きいです。農業生産拠点としてミャンマーほど伸びしろに恵まれている国は世界中でも少ないのではないでしょうか。

まとめ

今回は、ミャンマー農業のビジネスチャンスについて解説いたしました。
ミャンマーにはすでに農業を基盤とした国であるという土台があり、各種投資制度も優遇措置を含めて非常に充実しています。
他にも農地が安い点や流動性が高い国民性など農業ビジネスを始めるためのメリットがたくさんあります。現在は外資企業の流入も少なく競合も目立っていません。
そのことからこれからのミャンマー農業に明るい展望を持つ投資家、経済学者も多いです。記事の中ではミャンマー農業の問題点についても紹介しましたがこれらは海外からの投資家や農業者の方々から見れば大きな伸びしろにつながると考えています。
いまだに農業インフラの整備不足や土地の所有権についてなどミャンマーには根本的な農業改革が必要とされています。これらの将来性を生かし、まさに今ミャンマー 農業 はビジネスチャンスに溢れており、その可能性に満ち溢れたミャンマーで、農業を行い未来のミャンマーを開拓する経営者の方々に大きな期待を持っています。