ミャンマーのECビジネス事情

2021.01.12

ミャンマーのオンラインショッピングビジネス(ECビジネス)事情

ミャンマーは2010年まで軍事政権の下で鎖国状態であったことから、通信分野への投資が許可されていませんでした。
2011年に民主化となり、2013年に初めて海外の通信会社の投資が許可され、通信インフラが一気に伸び始めました。
日本は固定電話からパソコン、スマートフォンという流れで普及していきましたが、ミャンマーでは、いきなりスマートフォンが広まったのです。
現在、ミャンマーでは携帯電話の普及率は100%を上回り、インターネットの普及率も急激に伸びています。
と同時に、オンラインショッピングも少しずつ浸透してきました。

ECサイトなどオンラインショッピングの利用状況

この数年で、ミャンマーのオンラインショッピングの市場規模は急速に大きくなっており、現在、最も利用されているECサイトである中国のアリババグループのShop.com.mmをはじめ、rgo47.com、yangononlinestore.com、onekyat.com、barlolo.comなど国内外の多数のECサイトがあります。
しかし、利用率はまだまだ少ないのが現状です。その理由は何でしょうか。

オンラインショッピングの利用率が低い4つの理由

規制や法律がまだない

オンラインショッピングの利用がまだまだ遅れている理由としてまず挙げられるのは、消費者と企業を守る規制や法律がまだないことが第一として挙げられるのではないでしょうか。
これまで、ミャンマーにはオンラインショッピングについての規制、法律がなく、もちろん税制もありませんでした。
そのため、詐欺が発生するなどの問題が発生しやすく、それに対する法律や規制がないため、買い手も売り手も信頼が構築できない状況になってしまい、利用を出来るだけ控えようという気持ちが強くなってしまっていました。
しかし、政府は2020年に消費者の権利を保護し、EC市場を活性化するため12月からミャンマー商工省で、オンラインショッピングビジネスとしての事業者登録を受けつけるという発表をしました。強制的ではなく、法人のみの登録受付でしたが、(個人販売は未登録でもOK)近い将来、全てのオンラインショッピングビジネスを対象とし、強制的に登録をしなければならない様になる見込みです。

facebookでのショッピングが浸透している

2つ目の原因としては、facebookでのショッピングの浸透です。
日本では、通販サイトやアプリを使ったオンラインショッピングが一般的ですが、ミャンマーではオンラインショッピングといえばfacebook。

最初に述べたように、ミャンマーでは、テレビやパソコンが一般に普及する前に、いきなりスマートフォンの普及が増加したため、facebookが一番使い慣れていて、身近なツールでした。
多くのミャンマー人はgoogleなどの検索エンジンを使ったウェブサイトでの情報収集方法を知らず、facebookでの検索に頼っているという一面も。
最近では、facebookで化粧品や衣服を販売する若い女性が急増しています。
また、商品を会員制で配り、手数料を払って売ってもらうというビジネスモデルを取っている企業もあります。
facebookでは売り手がビデオライブ配信機能を使い、商品を映しながら商品のアピールをします。買い手はコメントに欲しい商品をコメントすることで売買取引がなされ、配達をするという流れが一般的です。

クレジットカードの普及率が低い

ミャンマーではクレジットカードの保有率が24%ですが、それ以前に、銀行口座保有率が26%(2017年)となっています。
そのため、ECサイトを運営する企業にとって決済の信頼性が低くやりづらい部分があります。
そのためミャンマーでは、商品を受け取った時点で現金で支払う決済方法がいまだに多いのです。
モバイル決済の普及率が伸びており、前払い決済が少しずつ浸透してはいるものの、ビザカードやクレジットカードを必須としている企業が多く遅れをとっています。

物流インフラやネット環境が不十分

最後は、交通状況やネット環境が十分に整っていないことです。
携帯電話の普及率は100%を上回っていますが、ネット環境は全国的にまだまだ整っておらず、ヤンゴン、マンダレー、ネピドーなど都会に限られています。
都会から離れた地方では配達不可という場合も多く、ECサイト普及の遅れの原因といえるでしょう。

コロナの影響で普及率が加速する!?

新型コロナウイルス感染症の影響は、ミャンマーにも暗い影を落としていますが、ECビジネスにおいては追い風になっています。
ミャンマーでも、新型コロナウイルス感染症による外出禁止や自粛要請などで、外出を控え、オンラインショッピングに注目せざるを得ないことになりました。
そのため、政府はオンラインショッピング推進のため様々な改善や開発などを行っています。
国民や政府が、オンラインショッピングの重要性に気付き始めているのです。
現在は、新型コロナウイルス感染症の影響により、化粧品や衣服だけでなく、食品、不動産、車、宝石など高額な商品までオンラインで販売されるようになり、国民のオンラインショッピング対する常識が大きく変化してきているのです。

今後の可能性

2021年からは農業分野の販売取引など、BtoBの取引もオンラインでできるよう開発が進んでおり、宝石・宝飾品の販売もオンラインでの販路開拓を模索しています。
さらに、クレジットカード保有率も上昇しつつあり、Visaのようなクレジットカード会社がデジタル決済や非接触型決済カード(タップで支払い)などを普及させるために推進活動に取り組んでいます。
近い将来にはECサイトやアプリを使用する人も間違いなく増え、ECサイトを運営する企業の数も増えていくでしょう。